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Angel Beats! 第十三話「Graduation」 感想
2010年07月24日 (土) | 編集 |
一年ほど前から情報が発表されて、それが徐々にアニメであったり、登場キャラ、制作会社や声優、そしてOPとEDが発表されて、ついに今年の四月に始まったAngel Beats!。
衝撃の第一話から、駆け足で展開が進んでいき、気がつけばもう最終話です。

1クール十三話、期間にして三ヶ月。
楽しい時ほど過ぎるのが早いと言いますが、ボクにとってこの三ヶ月は、人生で一番早く感じられた三ヶ月だったと思います。
それも今回で最後……なにか、胸にぽっかり穴が空いたような虚無感がしますね。


何にでも、始まりがあり、終わりがあります。


この言葉は、麻枝氏が開発日記の最後の記事の冒頭で書いていた言葉ですが、今になってその言葉の重みが感じられますね。
まさか、こんなところで名言を残していたとは……。


まぁ、長々と書くのも諄いと思うので、Angel Beats!第十三話……最終話の感想にいきたいと思います。






前回の最終決戦、ゆりが影を発生させるプログラムを破壊して、全ての問題が片付いた三日後。
ゆりが目覚めた場所は、死後の世界の学園内にある保健室でした。
どうやら、まだゆりは成仏しておらず、あれから三日も眠り続けていたようですね。

影が消えて、この世界は今までの姿を取り戻し、もう邪魔するものはいません。
しかし、音無と奏と日向と直井の四人は、ゆりの傍らでその姿を保ち、まだこの世界に居続けています。
その理由をゆりが問うと、音無はゆりがいるからまだこの世界を去るわけにはいかないと言います。

そして奏はゆりの反応をみて、ゆりの葛藤は既に解けている旨を解き明かします。
それは前回、ゆりが仲間を守った時に悟っているので、奏の予想は的中しています。

それを言い当てられて、毛布に顔を埋めるゆり。
なんだこれは……ゆりがデレている……デレているぞ! まさかこんな最終話でゆりのかわいい一面を見ることができるとは……まぁ今までもかわいかったんですけどね。
もやもやしているゆりに、直井が催眠術で尋問しようとしますが、


「よし、僕が催眠術で吐かせて……」
「やめろ、コラァーーーーーーーッ!!」


抵抗したことにより、それを肯定してしまいます。
それでも消えないという事は、やはり他のメンバーの事がまだ気がかりなのでしょうね。そういう意味では、ゆりと音無は似たもの同士のように思えます。

ていうか、ノリがTrack ZEROの頃に戻ってますね(笑)
ゆりに枕を投げられて吹っ飛ばされてる直井も、いつの間にかSSS色に染まってきたといいますか……。
こんなギャグが見られるのも最後だと思うと、やはり残念な気がしますね。

ゆりが戸惑う話題をもちかけた奏に、ゆりが穏やかに語りかけます。



「奏ちゃん……いじわるなんだ」
「ゆりが、あまのじゃくなだけ」
「あなた、言うのね……でも、なんとなく嬉しいな」
「なにが?」
「ゆりって呼んでくれて……」
「どうして?」
「だって、友達みたいじゃない?」
「友達……そうね」



百合っぺキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
ある意味、この二人のまともな会話は初なんじゃないでしょうか。
以前から、Track ZEROも含めて何度か会話をしたことはありましたが、やはりゆりが敵対視していたこともあり、心を許して話すことは無かったと思います。
奏からしても、自らに牙をむいてくる敵でしたからね。もっとも、奏はそこまでゆりを敵対視していたようではありませんでしたが。

今では、二人のいざこざや誤解もなくなって、友達のように話します。というか、この会話で友達フラグが立ったといっても過言ではないと思います。

そんな二人をよそに、音無と日向は前から企てていた事を実行しに、ゆりを外へと誘い出します。
最後に、奏がやりたいと言った--卒業式へと。




閑散とした学校の中庭を歩く五人。どうやら、他のメンバーは既にこの世界を去っていたようです。
ゆりが眠っていた三日間で、音無達五人を除く全員の戦線メンバーが成仏したようであり、あのNPCになってしまった高松も行けたとのこと。
日向はその時の様子を苦労したといいます。

苦労した……その一言で他のメンバーの卒業シーンが片付けられてしまいましたね。
前から言われていたとおり尺の問題もあったんでしょうが、やはり最後の見せ場が無くなってしまった他メンバーが不憫でなりません。
Track ZEROからメンバーとして登場していた大山は省かれたのに、六話(実際には四話)から登場した直井が最後まで残っているというのは、どうなんでしょうね……。
これもやはり、神のなせる技でしょうか(笑)
他メンバーの話は、是非特別編やらドラマCDやら別の何かで補完してほしいものですね。

前述の事を踏まえると、一人一人台詞を与えられて、最後には決め台詞を言って成仏していったひさ子さんと関根と入江の三人のガルデモメンバーは優遇されていた方でしたね。
まさか、本編であれほど活躍していたレギュラーメンバーよりも、ガルデモメンバーの方が扱いがいいなんて、誰が予想したでしょうか。
なんだかんだ言って、麻枝氏はガルデモが好きなんだということを実感させられましたね。Track ZEROの新規新規書き下ろし話もガルデモ話(関根の妄想日記)でしたし。
ということで、今後もガルデモの日常シーンをさらに補完してくれる事を期待します。




他の戦線メンバーの事について話すゆりと日向ですが、バックからは聞き慣れたあの歌が聞こえてきます。
しかも、その歌を歌っているのは他でもない奏ちゃんです。
いつも以上の上機嫌でスキップをしながら歌っているその歌はなんと、岩沢さんが最後に歌った「My Song」でした。

ここで、まさかのMy Songプッシュ!
どうやら奏は、この歌がかなり好きなようです。卒業式の準備中にも口ずさんでいたとのこと。
なぜ今更になって……。そんな唐突にその設定を出さないで、一、二話くらい前からその伏線というか予兆を出してくれればよかったんですけどね。

ですが、体育館の入り口で澄ました顔で聞いていた奏の心も撃ったのですから、やはり岩沢さんはすごいです。
まさにキラーチューンや……どぅるっどぅどぉーや……。
My Songが好きな奏と、その歌を聴いて岩沢さんの曲だと思い出したゆりはいいのですが、一番フラグを立てていた音無が「その曲なんだっけ?」は無いでしょう。
三話以降、色々あったから忘れていたのか、奏のことで頭がいっぱいだから思い出せなかったのか……立派に主人公できてないぞ、音無!
直井も、全校放送で流れたやつ(ひさ子さんがとっさに流した時ですね)だと覚えていたところを見ると、彼もちゃんと岩沢さんの曲を聞いていてくれたんでしょうね。





ゆりは、奏や音無達に連れられて体育館に赴きます。
そこには、「死んだ世界戦線 卒業式」と手書きで書かれた横断幕が貼られており、五人分の椅子と、ステージを上下するために必要な階段まで設置されています。
ステージ上に花まで並べられている所を見ると、かなり本格的に準備したようです。
この横断幕の文字も奏が書いたようで、おそらく前述の通りMy Songを歌いながら楽しげに書いたのでしょう。

早速、卒業式を始めるよう音無が促しますが、ゆりはそれに抵抗を覚えます。
卒業式を始めるという事は、もう消えるということになるので、心の準備ができていなかったゆりは戸惑いを隠せずにいます。
それを見た直井は、みんなが消えた途端にゆりがリーダーらしくなくなったと指摘します。
それに対しても反応に困るゆりですが、音無に女の子らしいと言われると、


「なんか、女の子っぽくなった」
「それ、喜べばいいの? 怒ればいいの……?」
「戦い終えたらそんなことも分からない無垢な女の子に戻っちまったんだな。ゆりっぺもかわいいとこあんじゃんっ」
「なっ……! かっ……? あば、あばばばばばばばばばば」

デレ顔入りましたー!
いつもの日向の冗談すら真に受けてしまうとは……。
トラゼロや一話のゆりからは考えられないくらいの、かわいいデレ顔です。
戦いが終わると、本当に一人の女の子ですね、ゆりは。





そんなこんなで、いよいよ卒業式が始まります。
進行役は音無のようで、実際の卒業式でいう教頭先生の役ですね。(学校によっては学年主任がやったりするんですよね……ああ、懐かしい)

開式の辞ということで、卒業式の開式を宣言します。
その次に、音無は戦歌斉唱を唱えますが、それに対しゆりが戦歌なんて無いと反論します。
それもそのはず、今までそんなものが出てきたどころか、作ろうとしたことすらありませんでした。
なので、その戦歌は奏が作ってきたとのことで、歌メロも決まっていないその歌を、校歌っぽい感じで即興で合唱します。



はい。ただの麻婆豆腐の歌ですね。
奏らしいと言えば奏らしいですが、ある意味電波ソングです。
誰がツッコミを入れるかと思ったのですが、真っ先にツッコミを入れたのはやはり日向でしたが、背後に隠れる奏をゆりが擁護したのは意外でした。
犬みたいにうなずく奏ちゃんとか、「やったね、奏ちゃん!」あたりはまさに百合っぺモードです。
もっとこの二人の仲良しっぷりを見ていたかったですね……。

ついでに、我らが死んだ世界戦線の戦歌の歌詞を抜粋しておきましょうか。
と言っても、作ったのは戦線メンバーでもない奏なのですが。




死んだ世界戦線 戦歌

      作詞 立華かなで


おそらの死んだ世界から
おおくりします
おきらくナンバー

死ぬまでにくっとけ
まーぼーどーふ

ああ~
まーぼーどーふ

まーぼーどーふ




サントラに収録……されるといいですね。



戦歌斉唱が終わると、お次は卒業式の主題でもある卒業証書授与です。
もともと卒業式というの名目も、卒業証書授与式を略した言葉ですからね。
そして、その卒業証書も奏が作ったとのこと。やはり自分から言い出したからでしょうか、かなり奏が率先して準備に取り組んだようですね。「えっへん」と胸を張る奏ちゃんもかわいいです。
しかし、ここで一つ問題が。
この世界の校長はNPCであり、ましてや他の教師どころか生徒の中にもNPC以外の、ゆり達のような人間がもう五人以外には誰もいませんので、誰が校長役として卒業証書を渡すのか。
ゆりが疑問に思いますが、その問題も既に対策を打っていたようで、壇上にある男があがります。



パーティ用の鬘と髭と眼鏡をつけた日向でした。どうやらじゃんけんで負けたとのこと。
じゃんけんで負けたといっても、こういう役までやる日向は、最後まで活躍してますね。ちなみに、この鬘と髭ですが、恐らくこれもギルド製でしょう。この世界にこんな娯楽道具が既存しているとも思えないですし、戦線メンバーが消える前(影発生以前)に何かしらの理由で作ったのでしょう。鬘の裏をめくると「Made in Guild」なんてタグがついているかもしれません(笑)





卒業証書授与ということで、真っ先に奏の名前があがります。
やはり卒業式の立案者でもあり、生徒会長でもある奏が一番手に適していますね。
その姿勢や礼儀のよさは、少し抜けてて天然の奏も生徒会長であるということを再認識させてくれますね。壇上を降りる満足そうな奏を見ると、手間をかけて卒業式を行った甲斐があったというものです。
BGMとして流れている「一番の宝物 インストver」が、さらに雰囲気をかもしだしています。




奏の次は、ゆりですね。
彼女も、なんだかんだいっても戦線のリーダーです。卒業証書を受け取る姿が様になっています。
相変わらずゆりは日向にちょっかいを出しますが、この絡みを見るのがこれで最後かと思うと、胸が苦しいですね。
奏直筆の卒業証書には、ゆりの今までの戦いを称える文が書いてあり、思わずゆりも感慨にふけます。




ゆりの次は、直井です。
音無に呼ばれた時の返事はよかったのですが、日向から卒業証書を受け取る時は、やはり直井節炸裂です。
反論しようとした日向も、空気を読んで直井を称えます。日向は最後までいい男でしたね。
直井の方も、最後まで自分のキャラを貫いている所が彼らしいです。




そして、いよいよ音無の番です。自ら名前を呼んで返事をして、立ち上がります。
日向から卒業証書を受け取ると、それを壇上に置いて、日向に鬘を取るように促します。


そして音無が、日向に卒業証書を渡し、それを日向が受け取ります。



「……ありがとな」
「こちらこそ、すげぇ世話になった」


ここで友情の握手です。思わず涙が出ますね。
本当に、麻枝氏は友情シーンを描くのがうまいと改めて思わされます。
この日向と音無の会話が、音無が来てからの戦線(第一話から)の物語に終止符が打たれたんだな、と実感させられますね。



卒業証書授与が終わると、次は卒業生代表による答辞です。
卒業生代表ということで、音無が立ち上がって答辞を言います。


「振り返ると、いろんな事がありました。この学校で初めて出会ったのは、中村ゆりさんでした。いきなり、死んだのよと説明されました。そして、この死後の世界に残っている人達は、みな一様に、自分の生きてきた人生を受け入れられず、神に抗っている事を知りました。私もその一員として戦いました。しかし、私は失っていた記憶を取り戻すことにより、自分の人生を受け入れる事ができました。それは、かけがえのない思いでした。それをみんなにも、感じて欲しいと思い始めました。ずっと抗ってきた彼らです。それは大変、難しいことです。でも彼らは、助け合う事、信じ合う事ができたんです。中村ゆりさんを中心にしてできあがった戦線は、そんな人達の集まりになっていたんです。その力を勇気に、みんなは受け入れ始めました。みんな、最後は前を見て、立ち去っていきました。ここに残る五名も、今日をもって卒業します。一緒に過ごした仲間の顔は忘れてしまっても、この魂に刻み合った絆は忘れません……」


「みんなと過ごせて、本当によかったです……ありがとうございました。卒業生代表、音無結弦!」


音無の答辞に対して、拍手があがります。
それは拍手喝采というにはほど遠く、四人分のお粗末なものですが、それでもその拍手は音無を称えるというよりは、今までの彼らの戦いと、物語を称えている拍手のように思えます。
答辞を言い終えた後は、「あおげば尊し」を合唱します。

伴奏無しで歌いますが、それでも力強くリズムを合わせて歌う五人ですが……。



「遅いぞ、貴様!」
「なにぃ!? 明らかにてめぇが早かったろっ!」


最後の「別れめ」の後に続く「いざさらば」の入りが会わなくて直井が日向にいちゃもんをつけます。
直井が言いがかりをつけてますが、実際には直井の方が早いんですよね。

ですが、どうやらこの「別れめ」の伸ばす部分はフェルマータと呼ばれる音楽記号がかかるらしく、意味は「適当に音を伸ばす」だそうです。
学生時代にこの歌を歌ったことがある人は体験済みでしょうが、確かに最後の「いざさらば」の入りはずれましたよね。
指揮者や伴奏があればまだマシなんですけど。

ボクも学生時代にこの歌を合唱した記憶がありますが、その時は伴奏や指揮以外に、周りの人のブレス(呼吸)音で合わせてたりしました。
それでもやはり会いづらかったり……。
麻枝氏は、このネタをやるために「仰げば尊し」を選んだんですかね。それとも単に卒業式っぽいからでしょうか。


気を取り直して、再び最後の「いざさらば」を歌い直します。相変わらず直井の入りが若干早いですが、うまくまとまり、皆で笑い合いました。
この光景が、メンバー最後の談笑となるんですね……。



そして、最後に音無が「閉式の辞」を唱えて、死んだ世界戦線の卒業式が閉式となりました。
「卒業生退場」の言葉と共に、最初に前に出たのは直井でした。
女の泣き顔は見たくないと、いつも通り気取って前に出た直井ですが、その直井も別れの時となっては涙を流して音無の前に立ちます。


「音無さん……音無さんに出会えてなかったら……僕は、ずっと報われなくて……でも……僕はっ……!」
「……もう迷いません。ありがとうございましたっ!」

「ああ、もう行け……」
「ありがとう……ございます……」

最後に音無に感謝を述べて、直井がこの世界を去りました。
彼は、音無に救われてこの世界で葛藤を消し去ることができ、満足して行くことができたのでしょうか。

思い返せば、彼は第六話の時に音無に救われて、そのまま消えるはずだったんですけどね。
六話の終わり方を見れば、誰もが直井の退場を予想したものですが、まさか七話で平然と戦線メンバー達の中に紛れ込んでいるとは思いませんでした。
あの時、音無の舎弟になっていたことには、ちゃんと理由があったんですね。まさにこのシーンのための伏線といえましょう。
最終回まで残ることは予想できませんでしたけど。



直井が消えた後、日向が軽くあおりを入れますが、それに反抗するようにゆりが前へと出ます。
そしてゆりは、隣にいる奏と向き合います。


「奏ちゃん。争ってばっかりで、ごめんね。どうしてもっと早く友達になれなかったのかな。本当にごめんね……」
「あたしね、長女でね。やんちゃな妹や弟を親代わりに面倒見てきたから、奏ちゃんにいろんな事、教えてあげられたんだよ。奏ちゃん、世間知らずっぽいから、余計に心配なんだよ。いろんな事……できたのにね。いろんな事して、遊べたのにね。もっと、もっと……時間があったらいいのにね……もう、お別れだね……」
「さようなら、奏ちゃん……」
「……うん」



今まで争ってきた事に謝罪して、もっと一緒にいたかったと言い、奏を抱きしめます。
この二人が仲良くしている姿をもっと見ていたかったですね。


「ありがとな、ゆり。色々世話になりまくった」
「リーダー、お疲れさんっ」
「うん。じゃ、またどこかで!」

そして音無と日向にも別れを告げて、最後はゆりらしく晴れやかに去りました。
日向も、うだうだと言わずにただ一言でゆりを称えて別れを告げます。たくさんの言葉なんて必要なく、その一言だけで十分なのでしょうね。この二人の関係は。
アニメ本編以前のTrack ZEROからゆりが戦い続けて、十二話でその戦いに終止符が打たれて、そしてついに、彼女のこの世界での物語と人生に終わりが来たんですね。
この後にもさらにすごいシーンが待っていますが、このゆりが消えるシーンこそ、実質的にAngel Beats!のラストシーンと言っても過言ではないでしょう。
いつかまた、生まれ変わった時は彼女が幸福な人生を歩めている事を願いたいですね。



そして、そのゆりと一緒に戦線を立ち上げて、共に長きに渡って戦い続けてきた日向も、この世界を去る時が来ました。
最後まで音無や奏の事を考えて、自分が先に行くことを選び、音無に向かいます。


「いろいろありがとな。お前がいなけりゃ何も始まらなかったし、こんな終わりも迎えられなかった。感謝してる」
「たまたまだよ。よく考えたら俺、ここに来ることはなかったんだよな」
「……どういうことだ?」
「俺はちゃんと最後には、報われた人生を送っていたんだ。その記憶が閉ざされていたから、この世界に迷い込んできた。それを思い出したから、報われた人生の気持ちをこの世界で知ることができた」
「そうだったのか……本当に特別な存在だったんだな、お前」
「だからみんなの力になれたのも、そういうたまたまのおかげなんだよ」
「そっか……ま、長話もなんだ。じゃ、いくわ」
「ああ。会えたらユイにもよろしく」
「おう! 運は残しまくってあるはずだからな、使いまくってくるぜっ」
「……おし! じゃあな、親友っ」


男らしく、本当にかっこいいほどの潔さで去っていきました。
誰よりもみんなの事を考えて、ある意味戦線の兄貴分と言っても過言ではないほどに面倒見がよかった日向。
この世界にきてから、右も左も分からなかった音無の面倒を見ていたのも日向でした。そして二人は、いつしか親友と呼べるほどに仲良くなり、互いを認め合っていきました。
その日向の物語も、最高の形で終わることができたようですね。
ですが、彼の物語はここで終わりではありません。生まれ変わった時に、ユイとあって幸せにしてあげるという使命が残されてあり、それは同時に日向の願いでもあると思います。
なので、これは終わりではなく日向の新たな旅立ちだと信じたいです。もちろん、他のメンバーもそうですが。
生まれ変わった後に、日向とユイが出会ってからの後日談とかあったら……もう最高です。

そういえば、最後のハイタッチは、「じゃあな、新人っ」と言って去っていったひさ子さんを思い出します。
どちらも、かっこいいキャラでした。日向とひさ子さんはAngel Beats!の二大かっこいいキャラであると同時に、少し似たところがあるように思いますね。



直井が去って、戦線を立ち上げてから終わりまで見届けた日向とゆりもこの世界を去って……ついに音無と奏だけが残りました。
音無は、奏に卒業式はどうだったかと聞きます。
初めての卒業式をやった奏は、楽しかったけど、最後は寂しいと言います。
しかし、新しい人生への出発だからいいことだと音無は諭します。

そんな会話も終わり、いよいよどちらかが消える所となりますが、音無は風に当たりたいといって、奏に外に出ることを促します。
奏もそれに同意して、体育館の外へと向かいました。


いつの間にか日が傾き始め、空は少しずつ茜色に染まり始めています。
校庭には部活動をしている一般生徒の姿があり、死んだ世界戦線が終わりを迎えた今でも、この世界は絶え間なく変わる事が無い永遠の時を刻み続けています。
その光景を見ていた音無は、この世界で一緒に残らないかと奏に提案します。
この世界はずっと続いていって、また報われない人生を送ったものがこの世界に訪れるのだから、またゆり達みたいにこの世界に居続ける人間も出てきてしまうから、自分たちならその人達を救ってやれるのではないかと、音無は考えたようです。
確かに、そういう人間がまた現れるということは否定できません。現に、ゆり以外に直井もこの世界のシステムを理解して(彼はそれを若干勘違いしていましたが)この世界に居続けていました。
他にも、ゆり達以前にそういう人達がいたということは、Track ZEROでのチャーや野田や椎名など、システムを理解していたのかは分かりませんが、何かしらの方法で消える事を免れながらこの世界に居続けていました。もちろん、奏もそうです。
そういうやつらを救うために、自分はこの世界に来たのではないかと音無は考えます。
さらに、奏が一緒にいてくれたら戦線メンバー達のように、そいういう人達を救いやすいと音無はいいます。
しかし、音無の本意はそれだけではありませんでした。
もちろん、その救いたいという気持ちもあるのでしょうが、何より奏と一緒にいたいという一番の理由は、


「奏がいてくれたらさ、こんな世界でも俺は、寂しくないから。前にも言ったかもしれない。俺はお前と一緒にいたい。これから先も居続けたい。だって俺は……奏のことがこんなにも……好きだから」

音無は、その胸の内に秘めていた思いを奏に打ち明けました。
敵である奏に好意を持っていた時から、さらに奏の事を知っていく内に恋愛感情になったのでしょうね。
音無が奏の事を好きであるという事は、日向やゆりも悟っているように思えましたが。

ですが、音無の告白に対して、抱きしめられた奏は、喜びや抵抗の意志も示さず、何も言わずに立ち尽くしています。
その理由は、今その思いを音無に伝えてしまうと、奏自身が消えてしまうというからでした。


「だってあたしは……ありがとうをあなたに言いに来たんだから……」
「どういうことだよ……」
「あたしは……あなたの心臓で生きながらえる事ができた女の子なの」


そして奏は言います。音無から移植された心臓は、今も自分の胸の中にあって鼓動を打っていると。
奏は、心臓をくれて生きながらえさせてくれた恩人に、自分に青春をくれた恩人にありがとうを言えなかった事だけが心残りで、この世界に迷い込んだとのこと。
なるほど、確かにそんな理由があれば、模範的に生活をしていても消える事はないでしょうね。青春を過ごして満たされる以上に、奏のその恩人に対する思いが強かったのでしょう。

音無は、なぜ自分が奏に心臓を与えたものだと分かったのか疑問に思いますが、一話冒頭で音無の胸を一突きした時に、音無に心臓が無かった事が確信に至った理由だといいます。
さらに、音無が記憶を取り戻せたのも、奏の胸の中にある音無の自分の心臓の音を聞き続けていたからだということです。

心臓を一突きという事で思い出しましたが、音無への行為以前に、その行動を既に奏は行っているんですよね。
それはTrack ZEROの二話での話です。というもの、校長室で校長先生を人質にして立てこもったチャーに対して、奏はハンドソニックで襲いかかりチャーの胸を一突きにしています。
これも初見では、ただ確実に動きを止めるために行った行為だと思いましたが(それを狙ったというのもあるのでしょうが)心臓があるか無いかを確かめるために行っていたのでしょうね。
さすがに、誰かれかまわず心臓を一突きしているというわけじゃありませんが、一話では音無が「死なない事を証明してくれ」と言ったから、その返事と心臓の有無を確認するために心臓を狙って一突きしたんだと思います。

そして奏は、自分に心臓をくれた恩人が音無だという事が分かり、彼女の抱えていた心残りも消えました。
後は、その「ありがとう」を言うだけです。なので、奏は再び音無にさっきと同じ台詞を言ってくれるように頼みます。



「結弦、お願い。さっきの言葉、もう一度言って……」
「そんな……嫌だ……奏が消えてしまう……」
「結弦、お願い……」
「そんなこと……できない……!」
「結弦っ!」
「あなたが信じてきたことを……あたしにも信じさせて。生きることは、すばらしいんだって……」



「結弦……」
「奏……愛してる、ずっと一緒にいよう……」
「うん、ありがとう……結弦」
「ずっと、ずっと一緒にいよう……愛してる、奏」
「うん、すごくありがとう……愛してくれて、ありがとう……」
「消えないでくれ、奏っ……」
「命をくれて、本当に……ありがとう」



奏は、今まで抱えていた後悔を捨てて、命をくれた恩人にありがとうを言って、この世界を去りました。
一人取り残された音無は、奏の名前を叫びます。何よりも愛おしい、大切な人が目の前から姿を消して、やりきれなくて、どこにもぶつけられない気持ちを抱えて、音無は叫びます。
一番大切で、愛していた人の名前を。











ついに、今春からスタートしたAngel Beats!が終わりを迎えました。
気付けば早い三ヶ月でした。一年前から放送を今か今かと待ち望んでいて、始まったかと思ったら、物語は駆け足で進んでいき、気付けばもう最終回……。
いやはや、楽しい事ほど時が過ぎるのが早いというのは、まさにこの事なのでしょうね。

最終回までくれば、もはやもう考察することはありませんね。
ボク達に残されたのは、今後のメディア展開に期待することくらいです。
ですが、もう一つ朗報があります。

なんと、Angel Beats!の十四話の制作が決定しているらしいです!

今更かよ……なんて思っている人もいるほど周知の事実かと思いますが、どうやらBD/DVDの最終巻(第七巻)に収録されるようですね。
内容はなんと、藤巻がメインとの話。
ソースは、Angel Beats!の制作会社であるP.A.WORKS様の公式ブログからなのですが、藤山ェ……。

まぁなんとしても、期待ですね。どうやら、十二話と十三話の間にある空白の三日間の話ではないかという予想も出ています。
ですが、もしかしたら影発生やらのもっと前の話で、番外編としてやるという可能性もありますので、確定情報ではないですね。
ただ、我らが藤山……じゃない、藤巻さんが活躍するのは間違いないようです。


というわけで、今まで書いてきた感想ですが、最終話に向かうにつれて滞ってき始め、ついには最終回の感想が放送日より約一ヶ月も遅れてしまうという形に……。
ですが、どうにかやりおえる事ができました。

今まで読んでいてくださった数少ない方々に感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
そして、トラックバックを送らせていただき、さらには返信までしてくださったブロガー様もありがとうございました。

麻枝氏は、この作品がボク達にとっての宝物になって欲しいと願っていましたが、ボクにとって、この作品が鍵作品の中では一番の宝物になりそうです。
一番といえるかどうかは分からないですが、Angel Beats!はボクの宝物になりました。


































































コメント
この記事へのコメント
ご苦労様でしたー
最終話、ご苦労様でしたー
いやあゆりっぺデレすぎだよ(笑)

そうか、藤巻が主役か遂に……!
2010/07/26(月) 13:42:27 | URL | 岩沢さんは俺の嫁 #-[ 編集]
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